師匠の極性

これまで選手に声をかけたことなんて無いんだけど岸、平良に声をかけてしまった。ナイスプレーを讃える気持ちと応援する気持ちとで。岸は少し挨拶してくれた。平良は無反応だったが迷惑をかけたかもしれないな。集中力を高めてる時だから。ギャレットが打たれたからさ、つい。やっぱ最前列はまずいよ。選手が近すぎる。つい草野球の気分になってしまう。おぐーです。

愛斗と山田もうーちゃんも目の前でキャッチボールしてた。おかわりは程よく近くで守備を観戦できた。おぐーもユニフォームに着替えて一緒に野球したくなったさ。

今日わかったけど恐らく人間には極性がある。血液型のように。あれだけ調子の良かったおかわりが今日は湿っていた。おぐーの被る帽子のように。

おかわりとおぐーは同極性なのかなと思う。遠くで観ていればなんの問題もないが近付けば反発し合う。ボクが生で観戦する時はヒット止まりなのだ。もちろんヒットもすごいのだが、ボクは師匠の綺麗な放物線を描くと話題のホームランをいつか生で観たいのですが、その希望はいつまでたっても叶えられない。叶えさせてくれない。もうここまで未達だとなんとなく覚悟は出来てきた。いつかこのネガティブな思いをアーティスティックに塗り替えて欲しい。頼むぞ、おかわり。

逆にアグーとおぐーは異極性なのかなと思う。アグーは高確率でおぐーにホームランを見せてくれる。近付くと引き合う。ボクは師匠のパワフルなバッティングに引き寄せられ、それに呼応するように師匠のホームランが生まれる。もはや阿吽の呼吸と言うべき相性のレベルである。

もうこれはしょうがないことだと思うのだ。人と人と言うのはわかっていても相性が悪い、別に嫌いとかそういうことではないけどなんか合わない、という組み合わせは間違いなくある。その逆もあるように。

ボクは永遠に師匠のホームランを生で観ることは出来ないのかもしれない。けれど師匠と同極性故にそれが起こっているのだとしたらボクは甘んじてその苦悩を受け入れよう。そしてなるべく師匠を遠くから応援してあげようと思う。師匠の活躍の邪魔になってまで実現したいとは思わないもんね。

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